本文
大方の予想に反して、科学の画期的な成果をもたらす起点とは、案外日常生活の中で体験する新鮮な驚きや、些細な、取るに足りない(注1)思いつきであることが多い。むしろ、科学の画期的な発見や発明は、限りなく日常的で具体的なものから生まれてきているのである。(中略)
しかし、こうした思いつきや驚きが、単に思いつきや驚きで終わってしまっては、いっこうに科学の成果には結びつかない。むしろ、その思いつきや驚きを拾い上げて、科学的で論理的な「ものの見方」へのきっかけにする、ということが重要になってくるのである。思いつきや驚きから、新しい論理的な「ものの見方」へと目を向けさせるためには、それを論理化する工夫や創造性にほかならない。実は、創造工夫こそが、歴史上のあらゆる科学者たちに見られる、不変(注2)の共通した姿勢なのである。
何事かに気づいて、それまで当然だと思っていたことに、少し違った角度から目を向けてみる。それまで誰も目を向けなかった角度から見えてきたことを、首尾一貫(注3)させ、論理的なものにすること、つまり、求めていた解決がいかに簡単なことだったかと気づく。新鮮な驚き、些細な思いつき、そしてその不備のない論理化こそが、常識とは少し違った「ものの見方」となって、いつの間にか一面化している常識というものを打ち破っていく。これは、科学を本当に発展させてきた人々に共通した姿勢である。
(注1) 取るに足りない:ささいな (注2) 不変:変わらない (注3) 首尾一貫させる:初めから終わりまで、一貫させる。
しかし、こうした思いつきや驚きが、単に思いつきや驚きで終わってしまっては、いっこうに科学の成果には結びつかない。むしろ、その思いつきや驚きを拾い上げて、科学的で論理的な「ものの見方」へのきっかけにする、ということが重要になってくるのである。思いつきや驚きから、新しい論理的な「ものの見方」へと目を向けさせるためには、それを論理化する工夫や創造性にほかならない。実は、創造工夫こそが、歴史上のあらゆる科学者たちに見られる、不変(注2)の共通した姿勢なのである。
何事かに気づいて、それまで当然だと思っていたことに、少し違った角度から目を向けてみる。それまで誰も目を向けなかった角度から見えてきたことを、首尾一貫(注3)させ、論理的なものにすること、つまり、求めていた解決がいかに簡単なことだったかと気づく。新鮮な驚き、些細な思いつき、そしてその不備のない論理化こそが、常識とは少し違った「ものの見方」となって、いつの間にか一面化している常識というものを打ち破っていく。これは、科学を本当に発展させてきた人々に共通した姿勢である。
(注1) 取るに足りない:ささいな (注2) 不変:変わらない (注3) 首尾一貫させる:初めから終わりまで、一貫させる。
問題
問 53科学における成果の起点は何か。
問 54筆者は、科学における思いつきや驚きを、どのようなものと考えているか。
問 55科学を発展させた人々に共通している姿勢は何か。