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旅が教えてくれること

本文

 毎日同じ時間に起き、同じ道を通り、同じ顔ぶれと顔を合わせる。そうした繰り返しの中で、私たちはいつの間にか、世界をあるがままに見る力を失ってしまう。旅の最大の魅力は、非日常の体験そのものではなく、こうした「慣れ」の殻を破ってくれる点にあるのではないだろうか。
 見知らぬ土地では、看板一枚、料理一皿でさえ新鮮な発見になる。言葉が通じなければ、表情や身振りで懸命に伝えようとする。そのような小さな努力の積み重ねが、普段は気にも留めない「当たり前」への感謝を呼び起こす。
 また、旅先での出来事は予定どおりに進まないことが多い。電車が遅れたり、地図が読めなくて迷ったりすることもある。しかし、そうした「不便さ」こそが、問題を自分で解決しようとする力や、他者に頼ることの大切さを改めて気づかせてくれる。
 旅から戻ったとき、景色や食事の記憶はやがて薄れていく。だが、旅の中で取り戻した「気づく力」は、日常に持ち帰ることができる。旅とは、遠い場所へ行くことではなく、自分自身を新しい目で見つめ直す機会なのかもしれない。

問題

1この文章によると、旅の最大の魅力とは何か。

2筆者が「旅の『不便さ』」について述べていることとして、最も適切なものはどれか。