本文
おとなは子どもに「嘘つきは泥棒のはじまり」として正直であることを強要しますが、弱者は苦しい嘘をついてでも自らの尊厳を守ろうとする。論理的に正しいことを理性と呼ぶとすれば、理性的にあることができるのは強者だからです。強者はそれゆえに理性的に弱者の過ちを責めようとしますが、弱者の立場からいえば、それは何の意味も持たないことが多いのです。弱者のする謝罪とは、劣勢を一時的に解消する手続きや儀式にすぎないのです。
(吉田修二『ヒトとサルのあいだ——精神はいつ生まれたのか』による)
(吉田修二『ヒトとサルのあいだ——精神はいつ生まれたのか』による)
| 単語 | よみがな | 意味 | 品詞 |
|---|---|---|---|
| 尊厳 | そんげん | dignity | 名詞 |
| 強要 | きょうよう | coercion, compulsion | 名詞 |
| 理性 | りせい | reason, rationality | 名詞 |
| 劣勢 | れっせい | disadvantage, inferiority | 名詞 |
| 儀式 | ぎしき | ceremony, ritual | 名詞 |
問題
問 47筆者は、弱者をどのようにとらえているか。